旧脇坂屋敷跡



青観「僕の絵をたまには見ますか」
志乃「ええ、去年京都で個展をなさいました時、見に行きました」
青観「そうですか。確かあの中にも、貴女を描いた絵があった筈だが…」
志乃「ええ…気が付いとりました」
青観「静かだな…」
志乃「あんまり静かなんも、独り暮らしには寂しゅうて…」
青観「お志乃さん、申し訳ない」
志乃「どないして?」
青観「僕は貴女の人生に責任がある」
志乃「昔とちっとも変わらしまへんなぁ、その言い方」
青観「いや、し、しかし…僕は後悔してるんだ」
志乃「じゃあ…仮にですよ、貴方がもう一つの生き方をなすっとったら、ちっとも後悔しないで済んだと言い切れますか?」
青観「……」
志乃「あたし、この頃よく思うの。人生に後悔は付きものなんじゃないかしらって。
ああすりゃ良かったなぁという後悔と、もう一つはどうしてあんな事をしてしまったんだろうという後悔」

『男はつらいよ(第17作)寅次郎夕焼け小焼け』より

ブラウジングライン



下枝の高さがそろっているのは
低い位置の葉は鹿が食べるため

陽光



アマギヨシノとカンヒザクラを交配して、作られた栽培品種

ホワイトガーデン浄土寺



その時、私が見た景子さんはとても不気味な顔をしていた。
不摂生をしているらしく月の裏側から来たような人間の顔をしている。
他人の不幸を希うような不吉な笑みを浮かべていて妖怪ぬらりひょんと言うべきだろう。
まるで小津である。
小津と瓜二つである。
むしろ小津そのものである。
小津本人である!