しのぶれどいろに出でにけりわがこひは
ものやおもふと人の問ふまで
平兼盛
逢ふことの絶えてしなくはなかなかに
人をも身をも恨みざらまし
中納言朝忠
八重葎しげれる宿のさびしきに
人こそ見えね秋は来にけり
恵慶法師
歎きつつひとり寝る夜の明くる間は
いかに久しきものとかは知る
右大将道綱母
滝の音は絶えて久しくなりぬれど
名こそ流れてなほ聞こえけれ
大納言公任
契りきなかたみに袖をしぼりつつ
末の松山波越さじとは
清原元輔
瀬を早み岩にせかるる滝川の
われても末に逢はむとぞ思ふ
縁結びの神は縁切りの神でもある
絵馬のなかには呪詛の言葉が書かれたものも