百人一首



しのぶれどいろに出でにけりわがこひは
ものやおもふと人の問ふまで

平兼盛

百人一首



逢ふことの絶えてしなくはなかなかに
人をも身をも恨みざらまし

中納言朝忠

百人一首



八重葎しげれる宿のさびしきに
人こそ見えね秋は来にけり

恵慶法師

百人一首



歎きつつひとり寝る夜の明くる間は
いかに久しきものとかは知る

右大将道綱母

百人一首



滝の音は絶えて久しくなりぬれど
名こそ流れてなほ聞こえけれ

大納言公任

百人一首



契りきなかたみに袖をしぼりつつ
末の松山波越さじとは

清原元輔

崇徳天皇御廟



瀬を早み岩にせかるる滝川の
われても末に逢はむとぞ思ふ

祈りと呪い



縁結びの神は縁切りの神でもある
絵馬のなかには呪詛の言葉が書かれたものも

裏道



通りから外れると人はほとんどいない